講師 上牧瀬香さん(早稲田大学本庄高等学院国語科教諭)

 白樺派の一人、有島武郎がドイツ文学者浦上后三郎にあてた書簡2通が、当館へ寄贈されたのは、2012年12月。その後新聞にも取り上げられ、その書簡について『有島武郎研究』16号(2013年6月)にて資料紹介されました。今回はその資料紹介をしてくださった、上牧瀬さんにご講演いただきました。

 有島は白樺派の中でも最年長の同人として、本格的な作家活動は1917(大正6)年から1923(大正12)年までと非常に短いものでした。しかしその短い中で作られた作品は、どれも魅力的で「或る女」は大ベストセラーとなります。45年という短い生涯でしたが、密度の濃い有島の人生、作品について、スライドを使いながら解説していただきました。

 終了後は、午後3時まで臨時開館して、浦上后三郎宛有島武郎書簡を展示し、寄贈者の植栗様にもご来館いただきました。今後は、常設テーマ「白樺派と我孫子」での展示に活用していきたいと考えています。

 
この講座はNPO法人ふれあい塾あびこと我孫子市教育委員会の共催により開催いたしました。